怒涛の2021年も最後残り1か月を切りました。
今年は、コロナの抑え込みに全力が注がれ、新しい日常へ向けて世界が進み始めた気がします。
ワクチンの普及が進み、無事オリンピックは開催されました。
以前とは比較にならないほど、しっかりと手を洗い、肌荒れも気にせずアルコールを揉みこみ、したことのないマスクを着けるのが普通となっています。
お陰で、風邪やインフルエンザとはほぼ無縁。
こればっかりは不幸中の幸いです。
不動産市場はというと、オリンピックが終わってなお、価格はいまだ高止まりしています。
「この状態はまだ続くのか?」
「そんなに続くわけがない!」
「ババ抜きはもう始まっている」
と言われ続け、かれこれ数年。
都内においては2~3年前と比べ、土地も区分マンションも価格が1~2割上がっているとも言われています。
ひょっとするとこのまま続いて行くのではないのか、とも考え始める今日この頃です。
とは言え、その不動産を本業にしている当社。
周りの情報や噂話だけを鵜呑みにせず、裏付けを取って、しっかりと皆さんにフィードバックし続けなくてはいけません。
まだ1か月弱ありますので、皆さんやり残しのないよう今年を締めくくってください。
ご相談や携わった案件の具体的なお話し
「金融機関が使っていた金庫の壁は壊しても良いか!?」という壁にぶつかりました。
某金融機関が入居していた建物。
退去後は賃借人の負担で原状回復され引き渡されました。
新たな入居者を募集するため現地確認すると、金庫やATMがあった内壁がそのまま残っています。
これって壊していいの?
ここから「壊せる壁vs壊せない壁」の長い戦いが始まります。
まずATMは入口に近いところを広い間口で占領しています。
次の入居者からは絶対邪魔って言われるよ、という意見が多数。
壊さなくてはいけない!
この壁を壊すにあたり、本当に取っても大丈夫な壁かどうかを確認します。
旧所有者から受け継いだ資料は設計図のみで、建築確認済証の原本はありません。
私ども素人が見ても埒が明かず解体業者へ連絡します。
「あー、ダイジョブっすよ。」と即答。
よし、壊そう!
その数日後。
・ 念のため知り合いの設計に確認した。
・ 防犯のため厚みのある壁になっているので、設計図のみでは構造壁かどうかの判断がつかない。
・ 建築確認済証があれば構造壁かどうか分かる。
・ なければ構造壁ではないと言い切れない。
え?壊せない?
建築時の設計事務所に問い合わせてみたら?との助言。
なんとか連絡が取れ、とても親切丁寧な対応をしてもらい、確認してみると言われ、1週間後。
図面は残っていないけど壊して問題ないでしょう。とのこと。
よし、壊せる!
安堵しているのも束の間、借入している金融機関に話すと、「データとしての裏付けなく取ってしまって、売却する時に支障はないのか?」との指摘。
壊しても平気?
再度関係各所へ確認すると「公の判断としては存在せず、所有者判断となる」とのこと。
最悪は壁を元通りに復元してやろうじゃないかと腹を括り、撤去へ向け動き出しました。
イレギュラーなケースは直面しなくては、何が障害となるかが分かりません。
そのためには、経験豊富な方々のアドバイス、障害を乗り越えるために手助けしてくれる方々、が必要になります。
一時は肝を冷やし、高い勉強代を支払うことになりますが、無事クリアできたことに感謝しかありません。
不動産あるある
08『不動産屋の社長が宅建を持っていない』
不動産屋さんの社長だからと言って全員が不動産の資格を持つプロフェッショナル、というわけではありません。
実は不動産業界は障壁が低く、他部門から参入するケースが多いと言われます。
そのため比較的簡単に会社が作られちゃいますし、独立もできちゃいます。
そして、脱退や引退も早いし多い、という事実も。
私の周りの不動産屋さんの社長は、不動産屋さんでみっちり経験を積んできた人が多いですが、なかには全く外部を卒業して経営されている方もいます。
そんな方々はそれぞれに得意分野があります。
不動産のことは詳しくないけど、不動産会社は経営できる。
まずは詳しい人を雇っちゃおうっていう経営のプロ。
こちらが話す間もないくらいひたすらトークを続けられて、それでいて内容が面白い会話のプロ。
不動産を商品として扱い、買って売っての差額が利益となります。
そんな取り引きで駆け引きが上手な交渉のプロ。
宅建士の資格を持っていないなら持っている人を雇えばよい。
そんな感覚みたいです。
そのため宅地建物取引士を持っていない社長は多数います。
突出したセンスを持っているので、不動産屋さんじゃなくてもきっと上手くやっているんだろうな、と感じます。
ワンポイントスキルアップ
数式をコピー&ペーストしたときに計算式がくずれないようにする方法
Excelには、計算式のセルをコピーすることで、貼付け先のセルに計算式を反映してくれるセル参照機能があります。
このセル参照には「相対参照」「絶対参照」「複合参照」と3通りあります。
「相対参照」・・・貼付け先のセルに合わせて行と列が変化する参照方法
「絶対参照」・・・貼付け先のセルにかかわらず、行・列ともに固定して参照する方法。
「複合参照」・・・行と列の一方を変化、他方を固定にする複合型の参照方法。
ここでは「複合参照」を使って、売上シミュレーション表を作る方法をご紹介います。
【手順1】 D5のセルに計算式を入れる
D5のセルに「= C5* D4」という計算式を入れます。
このままですと、D5のセルを他のセルにコピペしたときに、売価×販売数の数値にはなりません。相対参照の計算式のためです。
【手順2】 D5のセルを複合参照の計算式に変える
売価の列と販売数の行を固定した状態の計算式を他のセルに反映するためにD5のセルの計算式を「= $C5*D$4」と変化させます。
$C5・・・Cの列を固定。売価の列は絶対参照で行は相対参照。
D$4・・・4の行を固定。販売数の行は絶対参照で列は相対参照。
D5のセル内の計算式「C5」の部分にカーソルをあてて、キーボードの「F4」キーを3回押して、「C$5」に変化させます。
なお、「F4」キーを押すごとに次のように変化します。
「C5」 → 1回目「$C$5」 → 2回目「C$5」 → 3回目「$C5」 → 4回目「C5」
同様に、セル内の計算式「D4」の部分にカーソルをあてて、キーボードの「F4」キーを2回押して「D$4」に変化させます。
【手順3】 D5のセルをコピーして、D5からF7までの範囲に張り付け
下記のように正しい数値が表示されます。