不動産は雨風に曝されるので自然による影響をもろに受けます。
直近では大型台風が関東にも直撃しました。
屋根が飛んだり、土砂が流れたり、樹木が倒れたり、様々な被害が報道されていました。
翌朝から丸一日かけて、当社で管理している不動産、所有や販売している物件を見て回りました。
一通り見終わり、本当にやっておいて良かった、と思ったこと。それは「除草シート」です。
解体が終わり更地となったものがあります。
まだ草が生えて伸びる時期でもあるし、乾燥により土埃が舞わないように一面をシートで被うことにしたんです。
坪当たり4,000~5,000円位でしょうか。
その翌週に台風直撃。
この除草シートがなければ近隣に泥が跳ね、高台のため泥水は溢れて道路に出ていたかと想像すると…。
あれほど強風でもピンが少し浮いているくらいで、しっかり設置してくれた業者さんに感謝しかないです。
不必要な保険まで入るべきではないですが、他人様に迷惑が及ばないようにと考えると、少しの負担でトラブルを回避できる保険は掛けておくべきですね。
ご相談や携わった案件の具体的なお話し
先日、都内の底地をお譲りいただきました。
いわゆる〝一帯を占めている地主さん〞ではなく、本件単体を所有し、貸している方です。
戦前から始まっている旧法の賃借権。
互いに世代交代していて現在は先代のような近しい間柄ではないようでした。
地代は横ばいのまま続いており固定資産税の2倍程度なので、年間の収支はプラスではあります。
数年後に期間満了を迎える予定で、「所有すること自体が煩わしい」「地代管理や更新等の手続きが面倒」といったことが理由でした。
地代の相場は固定資産税と比較し、商業地では5~8倍、住宅地では3~5倍などといわれています。
しかし定められた価格はありません。
借りている土地であるために借地人は何かするときに地主の了承が必要です。
場合によってはその対価を支払うことがあります。
・第三者に譲渡する時の譲渡承諾料
・期間満了時に更新する時の更新料
・建替えする時の建替え承諾料
これらも同様に相場はあっても、決まりごとはありません。
土地賃貸借契約書で明記されていない場合には、その都度双方で協議し決めていくことになります。
購入価格は相続税評価額による底地割合に遠く及びませんでしたが、引渡しを受ける際「これで解放される」という声を聞くことができました。
個人として扱うには、それほどの負担があったのだなと感じます。
今回と同じような相談内容が多いものとして、権利に深く関係する「借地権」「底地」「共有持分」があります。
どのケースにおいても売却だけが解決策ではありませんが、解放されるために手放すことも一つの手段かもしれません。
長いお付き合いになるであろう借地人。
まずは、ご挨拶に伺い、今後についてしっかりお話ししていきます。
不動産1分講座
管理コストについて
今回は『管理コスト』についてお話しします。
個人的には不動産の管理は、管理会社へ依頼すべきと考えています。
餅は餅屋といいますが、管理コストを無駄な支払いと考えて自分で管理すると、結局は素人どまりになりかねません。
一言で管理といっても、様々な種類があります。
入金管理、緊急連絡先、建物清掃、更新手続き、退去・募集対応。
「入金の確認をして、入らなかったら催促すれば良いんだろう?」と思いがちですが、長く保有していると簡単にはいかないケースが必ず来ます。
例えば、夜遅くに、「上の階から漏水がある」と賃借人から電話が来ます。
仮に寝ていた場合、起きてすぐに対応できるものでしょうか。
連絡に気づかずに翌朝の対応となってしまった場合、漏水が大事になっていないでしょうか。
連絡がつかなかったからと、賃借人が自身で対応して高い請求が来ないでしょうか。
他のケースでいうと、更新の場になって、単純に更新を認めるだけで本当に事足りているでしょうか。
実際は、賃借人の連帯保証人から確認書や印鑑証明書をもらったり、火災保険等の再手続きをしたりと、すべきことが幾つかあります。
101号室は○○不動産、102号室は××商事、と個別に依頼することになってしまうのならば、改めて、個人的な見解ですが、お近くの手広く管理を行っている管理会社へお願いすべきでしょう。
管理費用は賃料の概ね3~5%です。
ぜひ、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
知らないと大変!身近な法律豆知識
理由なく他人の住居や店に居座り続けると犯罪!?
「帰れ!」と言っているのに帰らないと、逮捕される可能性があります。
今回は、「不退去罪」について解説します。
こんな事件がありました。
午前4時ころ、男が市内のラーメン店に来店し、餃子の次にラーメンを出してくれるように注文したところ、ラーメンを先に出されたため男性店長と口論。
午前7時ころ、110番通報で駆けつけた警察署員が説得しましたが応じなかったため逮捕されました。
容疑は「不退去罪」によるものです。
条文を見てみましょう。
「刑法」第130条(住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
では、「不退去罪」の成立要件はどのようなものでしょうか。
「やわらか頭体操」